第004回 少子高齢化
公民的分野 第004回 少子高齢化
・少子高齢化
『人口にしめる高齢者の割合が増え、子どもの数が減ること』です。
日本は急速に高齢者の占める割合が増え、『少子高齢社会』に突入していましました。
このことに関して、イギリスでは面白いリポートを制作されています。
そのお話は別な機会にするとして…。
あれ、『化』がとれてますね。
じつは、65歳以上の人の割合が7%以上の社会を『高齢化社会』と言っています。
でも、14%以上の社会になると『高齢社会』になるんです。
というわけで、『化』がとれました。
さて、少子の原因な一体、どんなことが挙げられるでしょうか。
・晩婚化
・未婚化
・『働く』と『子育て』の両立が難しい。
女性の高学歴化がもたらしたのでしょうか。
明治維新のとき、学制がだされました。6歳になったら、男女とも勉強しましょう。
覚えていますか。地域の人々は学校を建てたり、大変だったのです。
もちろん、ほとんどが農家ですから、勉強させたくても、させられない。
家の仕事を手伝ってほしい…
それが、ほとんどの家庭で考えられていたことでした。
それから、長い月日が流れ、多くの女性が大学まで行くようになりました。
男女平等といえども、女性にしかできないこと…ありますよね。
そう、『出産』です。出産すれば、子育てをしなければいけません。
それとも、『養子』に出しますか。勇気のいることですね。
しかも、大学卒業年齢は、ストレートで22歳。それから、恋愛、お見合いして、結婚。
となると、早くても出産は25歳程度。
年々、結婚する年齢が高齢化しています。
未婚で子どもを産む人も増えましたが、少数です。
その証拠に子ども自体の数が減っていますから。
そうなんです。出生率が低下し続けています。いわゆる『少子化』です。
『出生率』とは、一人の女性が一生のうちで産む子どもの平均人数です。
少子高齢化:子どもの数が減り、高齢者の数が増えること!
今世紀半ばになんと、人口の4割が65歳以上の高齢者が占めると予想されています。
つまり…10人に4人がお年寄り。
こういった社会に対応しようと…ちまたでは、こんなこともしています。
たとえば、
・少量パックで食品販売。(教科書のはじめにありました)
キャベツ一つ、カボチャ一つは多すぎるという人の為にこういうアイデアが出されました。
核家族化も進んでいる日本。仕方のないことですね。
寒い冬になべを家族中、こたつに集まって、肉取り合戦を繰り広げるなんてことは、もうなくなってしまったのでしょうか。
・少子高齢化がもたらす社会的影響
では、高齢者が増え、子どもが減るとどのような社会的変化をもたらしているのでしょうか。
① 労働力人口が減少。
子どもが減れば、成人する人も減ります。資本主義経済の日本。働かざる者、食うべからず。
そんなことを言っても、成人する人も減っていますから、食べる人もいないわけです。したがって、仕事をする人がいなくなります。
でも、仕事はあります。残った人がやらないといけませんよね。一人あたりの仕事量がどんどん増えるなんてことに…。
そうならないことを願いますが。どのような政策を打ち出したらよいでしょうか。
うーん、たとえば、外国人の積極的な起用。昔、渡来人なんていうのを勉強したでしょう。
外国人の受け入れは、ちょっと敏感な日本ですが、これからは、積極的にしよう!なんていうことになるかも知れませんね。
② 高齢者の年金、公的医療保険、介護保険などの負担が増加。
年金を払うのも国保を払うのも日本国民の義務ですね。でも、そのお金は払っているお金を使う人は、現在の高齢者です。
高齢者一人分の基礎年金を現役世代(20~60歳)は、今から10年前(2005)は、2.9人で負担していたのが、
2050年では1.3人で一人になると計算されています。
つまり、現役世代の人数が減れば、彼らの高齢者の年金負担がのしかかってくることになります。
今後、社会保障のあり方について考える必要がでてくることでしょう。
体が不自由な高齢者や子どもの保育についても考えなければいけないでしょう。
地域や家庭はもとより、
公的介護サービスの充実、
保育所の整備は
国や地方が最優先して考えることの課題の一つになっているのです。
・安心社会
暗いお話ですね。でも、日本は活力のある経済を保ち、安心した高齢社会を築く必要があります。
どんなことをしたらよいのでしょうか。みなさんも考えてみてください。
考えるとき、一つ一つの問題に分けて考えると、整理しやすいです。
それでは、まず、『少子化』から。
① 働きながら育児ができる制度をつくる。
子どもを出産したら、子育てがあります。そのためにも、働きながら育児ができる環境が整うといいですよね。
② 育児休業
ある一定の期間育児に専念させてもらえると、いいですね。とくに初めての子どももったとき。
なにもかもがはじめてですから、是非、子どもと一緒にいたほうがよいでしょう。
③ 児童手当ての支給
まずは、先立つもの…そう、経済的な援助があると心強いものです。
思わぬ発熱で病院に…なんていうこともありますから。
では、『高齢化』はどうでしょうか。
① 高齢になっても社会への積極的な参加
公園の掃除やいままでやってきたことの経験を活かした仕事をするのもよいでしょう。
生きがいを持って生活をしたいものです。
② 福祉サービスの充実
要介護の高齢者はなおさらです。介護をするということは、とても大変なことです。
精神的にも肉体的にも疲労します。そんなとき、公的介護サービスという選択肢があるといいですね。
③ 定年の延長
『死ぬまで現役』という言葉もありますが、少子化が進んでいる現在、仕方のないことです。
Steve Jobsは、『死』に直面したとき、『死』を偉大な発明と言っていました。
そうです。『死は、若者に道を与えるもの』と言っています。
しかし、その若者が少ない以上、定年を延長することにより、
末永く、働いていただくというのも、一つの方法かもしれませんね。
今回は、『少子高齢化』について考えてみました。
過去の歴史を振り返り、現状を踏まえて、今後の課題について考えてくださいね。
それが、本当の『社会』です。
みなさんは、若いです。可能性を秘めています。
いろんな考えを考えることは大切です。
視野を広げて、色々な角度から物事を考える力をつけましょう。
人はみな、生きています。だったら…
消極的に生きるより、積極的にに生きること。
それが、大切なことです。
それでは、今回はこの辺でおしまいにしましょう。